コンテンツWebディレクターの日記

渋谷のSEO会社所属のコンテンツディレクターの業務忘備録とか雑談とかもろもろ。

Webライティングでは"機能性"を意識した文章が必要

Webライティングでは機能性を意識した文章を書くことが、とても大切です。機能性を意識していないと、それがどれだけ綺麗な文章でも意味がありません。

 

意味がないというのは、セールスやマーケティングとしての効果を発揮しない、ということです。SEOもうまくいかないですし、商品も売れません。

 

私は昔、不思議に思っていました。

 

「なんで、こんな800文字しかないコンテンツで検索上位が取れているんだ?しかもコンバージョン数もすごいし」

 

同僚が担当するクライアントのコンテンツ。

ぱっと見、たいしたことない文章。文字数も少ない。

そんなコンテンツなのに、成果が出ている。

 

その理由は、これからお話する"機能性"にありました。

大事なのは、文字数や文章の上手い下手でもなかったのです。ただ、機能性を意識できているかどうか。それだけです。

 

 

 

Webライティングにおける"機能性"を意識した文章とは?

機能性=読者の利便性を考えるということ

機能性は、利便性と言い換えてもいいかもしれません。

 

「読者がより快適に目的を達成できるように、コンテンツの表現や見せ方を工夫すること」

 

これが、機能性を意識するということです。

わかりやすい例でいえば、ランキングサイトや比較サイト。たくさんの商品を掲載して比較することで、商品購入の決断の手助けをしています。

 

ほかのサイトを行ったり来たりしなくても、そのサイトだけで決断ができるので、とても利便性が高いですよね。

 

f:id:contents-webdirector:20191116214843p:plain

価格.com

 

<比較サイトの機能性(利便性)>

  • 一度にたくさんの商品を比較できる
  • その結果、自分にぴったりの商品を選択できる
  • ほかのサイトを見る必要がないので、時間を節約できる

 

「読者の目的を手助けするにはどんな機能性が必要か?」を考える

もう一つ、例を挙げましょう。

 

「 バイク ヘルメット おすすめ」というキーワードでコンテンツを作るとします。
このキーワードで検索する人は、バイクのヘルメットの種類や選び方を知りたいと思っています。それだけでなく、具体的なおすすめの商品も知りたい(買いたい)という気持ちもあります。そのため、コンテンツには以下のような要素が必要です。

 

<コンテンツに必要な要素>

  • ヘルメットの代表的な種類
  • ヘルメットの失敗しない選び方
  • おすすめのヘルメットの比較

 

f:id:contents-webdirector:20191116215208p:plain

検索結果をリサーチして、検索意図(読者が求めていること)を把握。そうすると、コンテンツに必要な要素がわかります。


 

「バイク ヘルメット おすすめ」で検索する人の最終的な目的は、自分にぴったりのヘルメットを買うということです。ですから、その目的を手助けするために、コンテンツには以下のような機能性がなければいけません。

 

  • 価格別や特徴別に、おすすめの商品を比較する
  • もちろんAmazon楽天などの購入リンクを設置
  • 商品の実際の写真もしくはAmazon楽天からの引用画像を掲載
  • 記事の冒頭で「先におすすめの商品を知りたい方はこちら」というテキストにページ内リンクを設置して、すぐに商品を比較したい読者に配慮

 

ざっと、こんなところでしょうか。

 

機能性を意識する。

それは、読者に寄り添うということ。

 

「これがあったら、ストレスなく決断できるだろうな」

「この情報も入れたほうが、読者にとって便利だろうな」

 

このような思考を癖づけていくと、機能性の高い文章を書けるようになるはずです。

 

機能性のパーツの具体例をピックアップしてみた

ここまで、機能性について解説してきましたが、あまり難しく考えなくても大丈夫です。Webのコンテンツにおける機能性のパーツは、ある程度パターンが決まっているからです。パズルのようなものです。

 

「こういうときは、この機能性のパーツを文章に組み込む」

 

それで、そこそこ機能するコンテンツは作れます。というわけで、使用頻度の高い機能性のパーツを以下でご紹介します。

 

関連記事へのリンク

「この情報も載せたいけど、みんなが知りたいわけじゃないしな・・・。それに、すごく長くなるし・・・」

 

そんなときは、関連記事へのリンクを貼ります。より詳しい情報を提供できる記事がサイト内にあれば、その記事に誘導しましょう。

 

詳細な情報が知りたい人は、その記事に移動して情報ニーズを満たせます。特にその情報を必要としていない人は、リンクをスルーして続きを読み進めればいいわけです。どちらの利便性も担保しています。

 

<書き方の例>

●●●についてさらに詳しく知りたいなら、こちらの記事をチェックしてください

『記事タイトル記事タイトル記事タイトル記事タイトル』

 

信頼できる外部ページへのリンク

関連記事と同じように、他のサイトのページに飛ばすことで読者の利便性を担保できるなら、そうしましょう。「他のサイトにアクセスを流すのはちょっと・・・」という考えは捨てたほうがいいです。そんなことは、読者の利便性には1ミリも関係ありません。

 

<書き方の例>

税金の計算方法については、以下の国税庁のページが参考になりますよ。ぜひチェックしてみてください!

『記事タイトル記事タイトル記事タイトル記事タイトル』

 

*引用をしたときも同様に、引用元のページへのリンクが必要ですよ。

 

ページ内リンク

ページ内リンクとは、同じページの特定の場所に一瞬で移動できるリンクのことです。比較コンテンツやランキングコンテンツにおいて、とても購買意欲が高い人たちに向けて使うことが多いです。

 

「すぐにおすすめの商品を比較したい方は、こちらをクリック!」

 

このような文言のアンカーテキストにページ内リンクを設定します。リンクをクリックした人は、記事の後半部分にある商品比較に一瞬で移動。すぐに商品の比較検討ができ、利便性が担保されるわけです。

 

ページ内リンクに記述方法は、以下の通りです。

 

移動したい箇所のテキストのHTMLソース

<a id="title">タイトルタイトルタイトル</a>

 

移動元となるアンカーテキストのHTMLソース

<a href="#title">タイトルの位置へ移動</a>

 

写真(イラスト)

写真やイラスト使ったほうがわかりやすいなら、積極的に使うべきです。ただし、意味にある写真(イラスト)に限ります。「とりあえず見出し下に画像を入れておこう」といって、単なるイメージ画像を挿入してもあまり意味はないです。

 

意味のある画像というのは、たとえばファッション系の記事ならこういうの。

 

f:id:contents-webdirector:20191116215449p:plain

 

テキストだけでは伝えきれない情報を、効果的に伝えています。

 

表(テーブル)

簡単な情報なら、箇条書き(リスト形式)でまとめれば済みますが、複雑で情報量が多いときは表(テーブル)を使ってまとめると良いです。Wordのテーブル作成機能で簡単に作れます。

 

f:id:contents-webdirector:20191116215512p:plain

 

こんな感じの。

 

 

 

ほかにもまだまだありますが、このあたりを意識しておくと良いと思います。

 

簡潔でわかりやすい文章を書く

Webライティングでは簡潔な文章が正義です。長ったらしく、まわりくどい文章ではいけません。難しい言葉を使って「プロっぽさ」を気取るのもいけません。より簡潔に、よりシンプルに、よりわかりやすく。それこそが読者に寄り添った文章です。

 

私は現役のWebディレクターです。それも、コンテンツマーケティングに特化したWebディレクターなので、毎日たくさんの原稿をチェックします。大量の原稿をチェックしてきたことで、「わかりやすい文章」と「わかりにくい文章」の違いがわかるようになりました。

 

ここでは、特に細かな文章表現の部分にフォーカスして、「どうすれば、わかりやすい文章を書けるのか」ということを解説します。

 

具体的な例文を多く紹介しながら解説します。また、ライティングや推敲時に使えるチェックシートもご用意しました。ぜひご活用ください!

 

【具体的な例文】余計な贅肉を削ぎ落としてスリムな文章に

さっそく、具体的な例文を見ていきましょう。



テンプレートを用いる場合のメリットは、

→テンプレートのメリットは、

 

テンプレートのデメリットとしては、

→テンプレートのデメリットは、

 

近年は、予算を確保するのが難しいという実情があります。

→近年は、予算を確保するのが難しいです。

 

面倒に感じたりするといったこともあるのだと理解しましょう。

→面倒に感じたりすることもあります。

 

まずはレンタルショッピングカートのサービスに登録してしまうことからはじめるのがよいでしょう。

→まずはレンタルショッピングカートのサービスに登録しましょう。

 

することに力を入れたサービスとなっています。

→することに力を入れたサービスです。

 

気軽にHPを開設できるようなサービスを提供しています。

→気軽にHPを開設できるサービスを提供しています。

 

こうした手法は非常にアナログなものでありますが

→こうした手法は非常にアナログなものですが

 

ここから、WordPressというものの特徴・メリット・デメリットについても、多くのことがわかってきます。

→ここから、WordPressの特徴やメリット・デメリットが多くわかってきます。

 

使ったことがあるという人も多いことでしょう。

→使ったことがある人も多いでしょう。

 

あてはまるものであるといえます。

→あてはまります。

 

ショップ独自の個性を出しにくくなるという点は意識しておいたほうがよいでしょう。

→ショップ独自の個性を出しにくくなる点は意識すべきです。

 

おすすめなのは、専用のシステムを0から構築してしまうというやり方です。

→おすすめは、専用システムを0から構築する方法です。

 

吹き出しコメント:より簡潔に、よりシンプルに、よりわかりやすく。贅肉を削ぎ落としていきます。

普段、話すときに使わない言葉は削るべき

たとえば、「〜であるといえます」。

こんな言葉、話すときには使わないはずです。「〜だと理解しましょう」もそうです。

 

まして、「〜してしまうことからはじめるのがよいでしょう」という表現は間違っても言わないはずです。

 

書き言葉特有の言い回しは、文章を無駄に長ったらしくします。なんとなくカッチリした印象にはなりますが、とても読みづらいです。「〜してしまうことからはじめるのがよいでしょう」は、「〜からはじめましょう」で十分、意味は伝わります。余計な表現は、容赦なく削除すべきです。

 

「この表現、言い回しは、普段話すときに自然に使うものだろうか?」

 

文章を書いたり編集したりするとき、私はいつもそう自問自答しています。そうすると、「ここは削るべき、ここは残すべき」という判断がとても簡単になります。

 

contents-webdirector.hatenablog.com

 

ライティング、推敲時に便利!表現のチェックリスト

最後に、チェックリストを載せておきます。ぜひご活用ください。

 

*前後の文脈によっては、この限りではありません。あくまで、目安として考えていただければと思います。

 

 

長ったらしい

簡潔

補足

1

〜であるといえます

〜です(〜ます)

 

2

〜することができます

〜ができます

 

3

〜となっています

〜です(〜ます)

 

4

〜になります

〜です

 

5

〜というものの

〜の

 

6

〜という

削除

 

7

〜でありますが

〜ですが

 

8

〜ではありませんので

〜ではないので

無駄に丁寧な表現も一文を長くする原因。

9

     

10

     

11

     

12

     

13

     

14

     

15

     

16

     

17

     

18

     

19

     

 

*ごめん途中!

話し言葉と書き言葉の違い

話し言葉と書き言葉。おおまかにわけて、文章のスタイルにはこの2つがあります。どちらがいいのか?私は断然、話し言葉だと思っています。

でも、世の中的には「文章で話し言葉を使うのはダメ」みたいな風潮ですよね。それはただの勘違い、思い込みなのですが・・・。

この記事では、なぜ話し言葉で文章を書いたほうがいいのか、その理由をお伝えします。

 

話し言葉で書くとは?どういう意味?

話し言葉で文章を書くというと、「〜ですよね」「〜なんです」といった表現を使うことをイメージするかもしれません。ですが、単純にフランクな表現にすればいいというわけではありません。

 

そうではなく、大事なのは「自然に抵抗なく文章をスラスラ読んでいけるか」ということです。

 

たとえば、「使用する」という表現は書き言葉です。これを話し言葉にすると「使う」になります。もうひとつ。「考慮する」という書き言葉は、話し言葉にすると「考える」です。どうでしょうか?どちらが頭にスッと入ってきますか?話し言葉のほうではないでしょうか?

 

なぜか?

 

まず、話し言葉は、私たちが普段なにかを考えたり口にしたりするときに自然に使う言葉だからです。馴染みがあるわけです。スラスラ読まれる文章を書くには、「相手が普段、自然に口にする言葉を使う」ことが大事なので、話し言葉で書くことはとても合理的なのです。

 

書き言葉=熟語 話し言葉=動詞

すごくシンプルに整理します。

 

 

熟語とは2つの漢字が合体して、1つの意味を表すものです。だから、書き言葉メインで文章を書くと、漢字がやたらと多くなります。とても読みづらいですし、難しくて堅苦しい印象を受けます。

 

「考慮」「使用」「救助」「躊躇」など。それぞれ、「考える」「使う」「助ける」「ためらう」にしたほうがいいです。小さな違いかもしれませんが、「スラスラ読んでいけるかどうか」というポイントに関わってきます。

 

ところが、Webのコンテンツの多くは書き言葉。「論文じゃないんだから・・・」というレベルの、書き言葉でガチガチに固めた文章もたまに見かけます。普通の読者は、一瞬でページから去っていきますよ。

 

「固いイメージの業界だから、固い文章を書かないといけない」

 

それはまったくの勘違いです。固いイメージの業界だからといって、固い文章を書かなければいけない理由なんて、どこにもありません。むしろ、固くて難しいイメージの業界だからこそ、わかりやすくて読みやすい文章で伝える必要があるのでは?と思っています。そのほうが読者のためになります。SEOにもいいです。

 

まとめ

話し言葉で書くとはいっても、話すことと文章を書くことは違うものです。まったく同じように再現することはできません。ただ、少しでもスラスラ読み進めてもらうために、普段自然に口にする言葉を選ぶこと。それだけは、意識しておくといいかと思います。